<オリックス3-9西武>◇19日◇京セラドーム大阪

お待たせしました! 西武のドラフト1位松本航投手(22)が、プロ初登板で初勝利を挙げた。オリックス9回戦(京セラドーム大阪)に先発し、5回を4安打2失点。開幕直前に「軽い肺炎」で確定していた先発ローテから外れ、戦線離脱を余儀なくされたが、ようやく復帰。球団の新人としては99年松坂以来、20年ぶりの初登板初先発でプロ1勝となった。

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豊かな自然の中、スポーツ一家に生まれた松本航が、家族の前で初勝利を手にした。「天空の城」竹田城のある兵庫・朝来(あさご)市出身。「ほんとに山奥」という環境で、川で泳ぎ、虫取りをして遊び回った。「セミやトンボを取ったり、カエルの卵を持ち帰って母に怒られたこともあります」と振り返る。

小2で野球を始めると、高校時代に遊撃手だった父昭浩さん(51)がコーチ役となり、家の前で暗くなるまでキャッチボール。社会人で軟式野球の投手だった母方の祖父瀧野正敏さん(75)も試合の度に、応援に駆けつけた。柔軟性は母譲り。バスケ経験のある由美子さん(47)から「ストレッチだけはしとき」と教えを受け、小学時代から忠実に実行した。姉あかりさん(24)はバスケ、妹じゅりさん(高2)もバレー部というスポーツ一家だ。

ネット裏で勝利を見届けた父は「どんどん成長して、1年でも長く続けてほしい」。大の阪神ファンだった祖父も「もうライオンズファンやで」と笑顔だった。【鈴木正章】

オリックス対西武 プロ初勝利をあげ勝利球を手に辻監督(左)と笑顔で握手を交わす松本(撮影・上田博志)
オリックス対西武 プロ初勝利をあげ勝利球を手に辻監督(左)と笑顔で握手を交わす松本(撮影・上田博志)