<パ・CSファイナルステージ:西武6-8ソフトバンク>◇第2戦◇10日◇メットライフドーム

ソフトバンクが、また獅子を食った。CSファイナルは敵地で連勝。

4時間26分の長時間ゲームだったが、勝てばいい。セ・リーグは1位巨人が3位からファイナルに勝ち上がった阪神に連勝し、一気の王手。ホークスも虎退治ならぬ獅子退治で、あっさりと3戦目で王手をかけそうな勢いだ。

それにしても、今ステージは工藤監督の采配がさえている。初戦でCS男・内川に代打・長谷川勇を送るなど、なりふり構わぬタクトで勝利をもぎ取った。この日も、初戦欠場の中村晃を5番右翼で先発起用。今CS1号2ランを含む2安打3打点の活躍で勝利に貢献した。背番号「81」の背中から、並々ならぬ勝利への執念が伝わってくる。シーズンはどちらかといえば「動かない」印象が強いのだが、V逸からポストシーズンを迎え「動く」指揮官像となった。

2年連続してリーグVを逃した。胸には、想像以上の悔しさがあふれているのだろう。試合序盤から積極的に盗塁も仕掛けろ、とベンチで指示も飛ばした。初戦に決めた柳田の半年ぶりの盗塁にその伏線があったかもしれない。この日も4回、柳田が四球で出塁すると2戦連続の二塁盗塁を決め、7点目の得点に結びつけている。

考えてみれば、CS制度というのは、興行的な側面を度外視すれば「下克上」のためにある、と言っていい。2位、3位チームにも日本シリーズへの道が残されているからだ。プロの世界は「勝って和す」と言われるが、これでCSファーストステージ第2戦から4連勝。シーズン終盤に失われつつあった「強さ」が戻ってきた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】