朝の鳴尾浜球場に今年43歳になった福留孝介選手の姿があった。球界最年長は9日ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦に3番指名打者で出場。初回に先制犠飛を放つと、四球で出塁した4回には二盗を決めるなどフル出場でハッスルした。6月下旬から控えにまわることが多く、直近の試合は3試合連続で雨天中止。なかなか打席に立つタイミングもなく出場機会を求めての志願出場だった。

これで1日は終わらない。その約8時間後には甲子園の打席に立っていた。本拠地開幕戦となった巨人戦。2点リードの8回2死二、三塁の場面で代打出場。左翼ウィーラーの好守備に阻まれてヒットにはならなかったが鋭い打球を左翼線に飛ばした。2軍デーゲームと1軍ナイターを掛け持つ「親子ゲーム」。主に控え選手が実戦感覚を保つため行うが、さすがに43歳の大ベテランは珍しい。

プロ野球史上初の50歳登板を達成し、今春キャンプでは阪神の臨時コーチを務めた山本昌氏をナゴヤ球場でよく取材した。2軍戦に登板すると「ウエスタン・リーグの最年長記録更新したでしょ?」と冗談っぽく言うのがお決まりだった。確かに山本氏の記録を抜くことはないが、この日の福留選手は、史上最年長の「親子ゲーム」出場だったのでは? 確かめるのは困難だけど…。【阪神担当 桝井聡】

阪神対巨人 8回裏阪神2死二、三塁、代打出場した福留は左飛に倒れる(撮影・清水貴仁)
阪神対巨人 8回裏阪神2死二、三塁、代打出場した福留は左飛に倒れる(撮影・清水貴仁)
シートノックを終えベンチに戻る福留孝介(撮影・清水貴仁)
シートノックを終えベンチに戻る福留孝介(撮影・清水貴仁)