負け続けていた東京ドームでの巨人戦で今季初勝利を飾った17日の試合後、阪神矢野監督は次のように語った。「気持ちはありますけど『負けました』では、なんの言い訳もできない。プロとしてやっぱり結果で示す、という思いで戦っている。次は10月にジャイアンツ戦がある。そこまでの戦いの中でもう1度、ちゃんと挑戦権を持ってこれるような戦いをすることが大事だと思う。また10月に甲子園でしっかり戦える状態に持っていけるように頑張ります」。この日、虎は大勝し、巨人本拠での開幕からの連敗を8で止めた。

その試合の中で待望の1発が出た。ボーアの13号ソロだ。8月26日中日戦以来、実に19試合ぶりのアーチ。さらに東京ドームでは試合前時点で29打数1安打(打率3分4厘)で0打点と苦しんでいた。矢野監督は「ボーアのところで試合を決めるというか、今日もいい1発だったと思う。今日は流れの中で打った1本だと思うが、ボーア自身が試合を決めるような、そういう場面での打点、ホームランを増やしてくれるとチームはもっと上にいくと思う」と語る。その通りだと思う。4番サンズが18本塁打、5番大山が19本塁打と、この2人が主な得点源となってきた。ここにボーアが復調すれば…。

現時点で巨人に優勝マジックが点灯している。虎は勝ち続けるしかない状況だ。少しでも巨人との差を詰めるには、やはり彼の力は欠かせない。ちなみに、阪神で20発超トリオは04年金本34本、今岡28本、アリアス25本のケースが最後。助っ人の20発超コンビは95年グレン23発、クールボー22発が最後。それも実現する固め打ちが見たい。【阪神担当 松井周治】