昨年まで、よく耳にしていた言葉だった。言葉の主は、日本ハムのドラフト1位達孝太投手。2軍キャンプ地の沖縄・国頭で初めてブルペン入りした時、国頭に来ていた新庄剛志BIGBOSSが見に来る前に投球練習を終えた。目の前でアピールするチャンスだったが「野球の神様が一番(状態が)いいときに、一番いいものを与えてくれると思っている」と淡々と言った。「野球の神様」は、よく栗山英樹前監督の会話の中で登場していた。
前指揮官は要所で「野球の神様」を出していた。例えば日本一になった16年。残り9試合の時点で首位ソフトバンクとのゲーム差なし、勝率3厘差で2位に付けていた。「野球の神様が、どう采配しようとしているか考えている。ここまで来て、自分たちで決めなさいと(2チームを)横に並べたんじゃないか。あなた方は何が出来るんですかと聞かれている気がする」。命運を分けるとき、まず尋ねる先は「野球の神様」だった。
高卒ルーキーの口から、再び「野球の神様」が現れるとは思わなかった。達は最終的な目標に大リーグの舞台を掲げ、まい進してきた。新人合同自主トレでは、他のルーキーがキャッチボールを終えるころにスタート。ルーティンである入念なストレッチを、プロでも継続。BIGBOSSから「自分の芯を持っている」と評価されるほど、りりしいまなざしから強い信念を秘めていることがうかがえた。
球団からは身長194センチの恵まれた体格と潜在能力の高さ、探求心を評価されて入団した。生年月日は04年3月27日。同年に誕生した北海道日本ハムファイターズの開幕戦と同じ日に産声を上げた。「何か縁があるんだなと思いました」と達。「野球の神様」によって導かれたプロの道を、一歩ずつたどっている。【日本ハム担当 田中彩友美】




