投球のたびに室内練習場に雄たけびが響き渡った。ソフトバンクの宮崎キャンプは第3クール2日目。あいにくの雨となってA、B組は時差練習となった。A組は午前中に予定していたライブBP(シート打撃)を取りやめた。午後からの練習となったB組は室内練習場でライブBPを強行した。
「自分でも何て言っているのかわかりません。たぶん、『おりゃあ』とか『よっしゃ』とか『よいしょ』とか叫んでいるんでしょうけど」。絶叫投球の主は育成ドラフト6位の川口冬弥投手(四国IL・徳島)だった。マウンドの姿とは対照的? になんとも礼儀正しい。両足をそろえて何度も頭をかきながら答えてくれた。打者6人に対してヒット性の当たりは1本。最速148キロをマークした。
新入団では育成3位の大友宗捕手(BC・茨城)とともに最年長の25歳。「育成」の猶予期間は長くはない。「(自主トレから)やってきたことは出せたかなとは思います」。ブルペンでは142キロ台だった直球も実戦形式のマウンドでは5キロ超のスピードを記録。昨年マークした自己最速155キロにはまだまだ遠いが、今キャンプでさらにギアアップしてもらいたいものだ。
ホークスの選手層は厚い。今季も54人の育成選手を抱えているが、支配下枠は残り5枠。昨年は川村、緒方、仲田(現西武)がキャンプ完走し猛アピール。開幕前に支配下入りを果たし「育成三銃士」とも呼ばれた。今キャンプは現時点で盛島、桑原の育成選手がA組。クールが進むにつれ、若手選手への視線は厳しくなる。この日、オスナ、ヘルナンデスの助っ人右腕2人が来日し宮崎に入った。15日の第4クールからは独自調整を任されていた「S組」が全体合流。役者が出そろえば、さらに「育成組」への視線は遠のく。キャンプも中盤から後半戦に入っただけに首脳陣をうならせるアピールは忘れないでもらいたいものだ。
「育成」の言葉とは裏腹に、チャンスはそう何度も訪れないのだ。【ソフトバンク担当=佐竹英治】




