野球手帳

甲子園につながらなくても真剣勝負 なんとか完遂を

本格化する高校野球の独自大会に、新型コロナウイルスの第2波の影響が忍び寄っている。23日、全国で900人超の感染者が確認されるなど1都5県で過去最悪の数字を記録した。

教師や生徒など学校関係者の感染ケースも報じられる。摂津(大阪)では、野球部ではない生徒の感染が確認され、初戦が延期に。岐阜県では、学校関係者や生徒の感染が確認された県岐阜商、瑞浪の2校が独自大会を辞退した。大会が本格化する今月上旬、「感染者が増えてきている。大会自体どうなるか分からないし、油断できない」と吐露する現場の指導者もいたが、その不安が現実味を帯びる。まさに明日はわが身、だ。

インターハイなどが中止となる中、高校野球ばかりが特別とは思わないが大会は途中で途絶えることなく最後まで守られてほしい。奈良大会初戦で、一条に敗れた郡山ナインは、多くの選手が目を赤くしていた。主将の選手は「こんなところで終わるチームじゃなかった」と悔しさをにじませ、うずくまるチームメートの肩を抱いた。甲子園にはつながらない。それでも彼らにとっては思い出作りでも、遊びでもない。例年同様、真剣勝負の夏だ。

高校生にとっても最後の花道。大会は保護者のみの入場を認め、一般の高校野球ファンはネットなどで視聴する。その中で、球児が見せる懸命な姿は、暗さが続く世の中に、明かりをともす一助になってくれると思えてならない。1つのプレーに励まされ、元気をもらうような、そんな体験を1度は誰もがしたことがあるはずだ。最後の花道、コロナの波にのまれず、大会の完遂を願いたい。【望月千草】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

 野球をこよなく愛する日刊スポーツの記者が、その醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

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