めったに見ない幕切れだ。9回2死三塁で登板した8番手の小野泰己が相当な乱調。1球もストライクが入らないまま3人を歩かせ、最後は暴投でのサヨナラ負けだ。予想外の形でオープン(OP)戦が終わったのだが、まさに「OP戦でよかった」という締めくくりかもしれない。
予想外…ということではスタメンも同じ印象を持った。9番にロハスを入れて最後まで指名打者制で終えたのもめずらしい気もするが考えさせられたのは大山悠輔を「7番・三塁」で起用した点である。
昨季はいったんリセットし、オフから「4番争い」を展開した結果、4番は佐藤輝明に決まった。では大山は-。普通に考えれば5番かもしれないが、ここに来ての不調だ。OP戦とはいえ、打撃の形、あるいはメンタルがよくないという首脳陣の見立てがあるのだろう。そこで7番になったのだが、ひょっとして、開幕戦もこれかもしれない。
圧倒的にセ・リーグを抜け出すような強い球団は見当たらない今季だ。ということは優勝のため、やはり「開幕ダッシュ」は欠かせない。そうなれば不調と分かっている打者に開幕から主軸を任せるのはどうか。指揮官・矢野燿大がそう考えてもおかしくない。
もし、そうだとしてもそれはそれでいいと思う。今季から日刊スポーツ評論家に就任した阪神OBの岩田稔はOP戦中の解説で「どちらが4番?」と聞かれ、面白い答えをしていた。
「4番にならなかった方が下位を打って、もう1つのクリーンアップをつくったらいいんじゃないかと思います」。投手ならではの視点かもしれない。確かにこの日で言えば6番からの糸井嘉男-大山-梅野隆太郎はそれっぽい並びだ。
大山は昨季、4番から5、6、7番の打順を打ったがもっとも打率がよかったのは「7番」で5割3分3厘もあった。ワーストは「4番」の2割4分4厘。もちろん分母がまるで違うので単純な比較はできないが、粗っぽく言えば7番でも打てばいいのだ。
いずれにせよ矢野の基本スタイルはあまり決めつけないところだ。しっかりレギュラーを組んでというより、時々の調子を見極めて、打順も変えて…という形は4年目も変わらないと思う。その意味でも「競争」と言っているのだが、その結果を勝利に結びつけてほしいと開幕前にあらためて感じる。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




