降り続く雨にもかかわらず、4万2465人もの観衆が詰めかけた甲子園開幕戦。その前で繰り広げた首位攻防戦第1ラウンドで、阪神は3安打しか放てずに逆転負け。復帰した指揮官・岡田彰布の甲子園初戦を飾ることはできなかった。
目立ったのは湿った打線だろう。1回に出た近本光司の三塁打はヤクルトの右翼サンタナが雨などの影響で捕れなかったもの。実質、7回の大山悠輔、9回のノイジーの各単打だけと寂しい結果に終わった。
ここで思い出したのは前日までの広島で新加入の打撃コーチ・今岡真訪と交わした会話だ。今岡は昨年まで日刊スポーツ評論家として活動しており、その独特の見方に触れる機会も多かった。話をした時点で阪神打線は好調だったので「ええ感じなのでは?」と聞いた。そのときに今岡が話したことが印象的だ。
「でも目先の結果ばかりじゃないですからね。打ってる人も打てていない人も、こちらがあまり“気づいていないフリ”をしないとダメだと思います」
なかなか表現が難しいのだが、要するにこういうことだと思う。<1>まだ開幕したばかりで好不調、状態を判断する時期ではない<2>目先の結果に一喜一憂して選手にどうこう言うタイミングではない…。いい面でもそうでない面でも結果にそれほど影響されてはいけない、ということのようだ。
「まあ5球団相手にひと回りして、それからでしょうね」と、これは分かりやすい話をした。要するにまだまだこれからだ。
もちろん結果を問われる指揮官はそうは言えない。思っていることが口に出るタイプだけに岡田は渋い表情。「打つ方がな。広島からピタッと止まってしもたな-」。面白くなさそうに話した。
甲子園の開幕戦で負けるのは17年、金本知憲政権のとき以来。その前が和田豊時代の14、15年だ。それでもこの3シーズンで阪神はすべてAクラスに入っている。第1次岡田政権で優勝したとき、と言うより現状、球団最後の優勝になっている05年は横浜(当時)相手にドローだった。
これを見ても甲子園開幕戦がシーズンの行方に直結するわけでないのは言うまでもない。それでも相手はリーグ連覇のヤクルト。ずるずる負けていては岡田でなくても気分はよくない。虎党はもちろんだろう。まずは8日、やり返すところが見たい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




