「ああ~っ」。連日で今季最多を更新した4万2635観衆のため息が甲子園に充満する。湯浅京己に代わり、クローザーに指名されている岩崎優が1点差の9回に逆転を許してしまった。今季はなるべく避けている3連投での結果だけに余計に痛い感じだ。

「痛いのお」。この日からアンダーシャツを半袖に替えた指揮官・岡田彰布も少々、元気なく話した。これで1試合を残して交流戦負け越しが決定。ロッテを破ったリーグ2位・DeNAとのゲーム差も「3」に縮まった。

結果的に負けたから言うわけではないが試合中、少しイヤな感じがしたのは5回だった。阪神が4点リード、先発・大竹耕太郎は4回まで無失点。勝ちムードのままで迎えた場面である。先頭・牧原大成の二ゴロを中野拓夢がファンブルし、一塁に生かしてしまう。

以前にも書いたけれど今季の阪神、失策があまり失点につながらないというありがたい傾向がある。だが、それもそうは続かない。この日は失策から1失点。大竹は「失点1、自責点0」という結果に終わった。

リーグでの失策数は最多の中日に次いでワースト2位の阪神だが交流戦ではこれが15個目で12球団ワーストである。比べても仕方がないが最少の巨人は「4」だ。平均が「8・7」なので「15」はやはり多い。

「確かに交流戦になって多いね。だんだん増えてきた。昨季も最初は少なくて途中から増えたから同じ状況だね。(増加の)理由は特にないけど。疲労といっても、それはどこも同じこと。きょうのも先頭打者のだから痛い。みんな一生懸命やってるんだけどね」

今季から加入した内野守備走塁コーチ・馬場敏史もそう表情を曇らせた。「アリの一穴」という言葉もある。直接の敗因はもちろん1点差で登板した岩崎が最後に打たれたことだが、そこに至るまでに伏線は敷かれる。いつも完璧に戦うことはできないし、勝っていれば何てことないのかもしれないけれど、逆転負けを喫すれば、あらためて振り返ってしまうのだ。

普段からそうだが特に湯浅不在の時期はなるべく接戦は避けたいところだろう。それでなくとも1点差試合の多い阪神。残り1試合になった交流戦、18日ソフトバンクとの最終戦はもちろん、リーグ戦再開においても、守備のミスはいよいよ気をつけなければならない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対ソフトバンク 5回表ソフトバンク無死、牧原大の打球を失策する二塁手中野(撮影・加藤哉)
阪神対ソフトバンク 5回表ソフトバンク無死、牧原大の打球を失策する二塁手中野(撮影・加藤哉)