さすがに甘くない。4回、大山悠輔に一時同点とする本塁打が出た瞬間。「また逆転勝利か? こんな勝ち方が続くなら、いよいよアレやで…」。ドキドキした。しかし直後の5回に才木浩人が5失点。流れが変わり、甲子園の巨人戦連勝は「6」で止まった。
しかし、これはもう、以前に指揮官・岡田彰布が言ったことのある「そら負けるよ。そんなんおまえ」という敗戦だろう。ずっと勝てるはずもない。さすがにこのタイミングでは言わなかったけれど。
5回の才木は木浪聖也の落球という不運もあったが序盤から続けて先頭打者に安打されるなど、しんどそうだった。四球もあった。条件はみな同じだが、この季節、投手がきつくなるのは言うまでもない。
黒星の才木は7失点(自責3)。5月19日広島戦(甲子園)で青柳晃洋が7失点したのに並ぶ数字だ。先発投手の失点としては今季ワーストタイである。
約2カ月前で思い出すのは“その直後”だ。青柳の7失点で負けた後、チームに気合が入った。翌20日から広島に連勝し、乗り込んだ神宮でヤクルトをスイープ。さらに甲子園で巨人に3連勝し、交流戦初戦の5月30日西武戦(ベルーナドーム)まで9連勝。虎党を多いに盛り上げたのだ。
だからと言って「先発投手7失点は吉兆」…などと言うのは、さすがに能天気に過ぎるだろう。この敗戦で死守してきた首位の座を広島に明け渡し、6月26日以来、約1カ月ぶりの2位となった。そして28日からは10連勝と驚異的に好調で首位に立ったその広島を甲子園に迎えての3連戦。まずは真夏の正念場だ。
それでも、独断で言って、それほど不安を感じないのはいまの阪神打線にあるのかもしれない。後半戦5試合で放った安打数は神宮でのヤクルト2連戦が8本、8本。そして甲子園の巨人3連戦は7本、11本、この日は10本だった。「毎日、ヒット、5本ぐらいしか打てへん」と岡田がぼやいていた時期もあった打線は徐々に上向いてきている。
特に楽しみなのは佐藤輝明だろう。この試合、8回に後半戦初アーチとなる11号ソロを左中間に放った。これで後半戦は5試合で20打数7安打、打率3割5分、4打点。復調気配に岡田も「ずっと調子上がってる言うてるやんか」と独特の評価だ。いずれにせよ投手が苦しくなる夏本番、打線で盛り上げたい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




