なかなか難しいな、と思う。阪神は逆転負けでDeNA相手に連敗を喫した。すでに優勝は決めているし、ヒリヒリした週末の3連勝を受けた後のゲームである。いまは負けてもいいというか、正直、勝敗に大きな意味はないのだ。
だから「しっかりせんか」と文句を言う感じでもない。とはいえプロとして負けていいはずも、当然、ないのだ。よく言われることだが、この日のチケットしか取れない、この試合しか見ることができないファンもいると思うのである。
これが実に15カードぶりの負け越し。あきれるほど強かった今季を示す1つの数字かもしれない。そして象徴的なことがある。それは今季「甲子園での同一カード3連敗は1度もない」という事実だ。
甲子園での連敗自体が前回の負け越しだった7月中旬の中日戦以来。そのときは同15、16日に負け、4月末に敵地で3連敗を食らっていた中日相手になんとなく苦手意識を感じた後の17日が雨天中止になった。
その時点で2位巨人に8・5ゲーム差。何ということはなかったのだが負け慣れていないだけに妙な感じはしたものだ。しかし、その雨天中止をキッカケに再び上昇モードに突入。そのまま負け越しなしで一気にV決定まで突き進んだ。
難しいことの背景には阪神の“おそろしさ”もある。この日の観衆は4万2639人。今季の最多観衆は優勝決定した7日の4万2649人だった。優勝が決まった後の平日ナイターがそれより、わずか10人少ないだけだ。これは開幕前に全試合のチケットを売り切ってしまうという、考えられないぐらいの人気に支えられたシステムがあるからだろう。
それでも一方的な敗戦展開に、この日の終盤は席を離れるファンが目立った。多くの虎党が最後まで応援する姿が普通の甲子園で、これもめずらしいことだ。
「スタンドにどうしても空きが出てしまって。勝負師としては悔しいですけど勝負は終わってるんで。このあたりは向かう方向があるということで」
指揮官・藤川球児はそういう言い方で来たるべきクライマックス・シリーズに向けての調整を続けることを示した。とはいえ、きょう11日のDeNA戦も「満員御礼」になるのは間違いない。大観衆の前で今季初の「甲子園3連敗」は、やはり避けたいような気もするのだが…。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




