「明日は難しいかもしれませんね。午後から2、3ミリと降るみたいで。2ミリが続くとなかなか…」。前日14日の試合前、ベンチでそんな話をしていたのは阪神球団本部長・嶌村聡だ。この手の話は外れることも多い。「どうかな?」と思っていたが、その通り、雨天中止となった甲子園だ。
前日の敗戦を受け、友人知人からいろいろな意見が届いた。こちらに言ってもなあ、と苦笑するがみんな熱心だ。ネットの書き込みなどもあまり見ないが批判が目に入る印象である。14日、巨人に負けたゲーム内容は久しぶりに虎党に火を付けたようだ。
いわく「木浪(聖也)がインケツだった」「なぜあそこで代打が伏見(寅威)なのか」など。こんな反応を見れば、阪神は愛されているというか注目されている球団やな、12球団No1の人気というのも本当だな、とあらためて感じる。
それでも落ち着いて考えて前監督・岡田彰布(オーナー付顧問)風に言えば「そら負けるよ。そんなん」である。いまのチームは強くなった。嶌村が監督付広報をやっていた知将・野村克也の時代などと比べても圧倒的に強いのだ。
それでも負けるときは負ける。143勝はない。「負け方が大事」などといつもここで書くが、実際、負けは負け。虎党は気に入らなければ誹謗(ひぼう)中傷は論外にして、批判、意見を述べるのはいい。こちらも同じだ。その上で書くけれど、外野がどうこう言うのは勝手だが、どんな局面でどんな判断を下すかは指揮官・藤川球児が決めること。それも事実だ。
いま興味深いのは木浪である。一時の快進撃は少し影を潜めてきた。ここでスタメンを小幡竜平に代えるか。あるいはもう少し様子を見るのか。これも球児が決めることだ。
前日、木浪と少し意思疎通をした。「順調にいかない感じもまたいいんです」。そんな趣旨のことを言っていた。以前に体調を崩したときに雑談すると「そういうときもないとダメです」と言われたことがある。
「そういうときもありますよ」でなく「そういうときもないとダメ」。前向きというか、すべてを吸収するような彼の考え方には驚かされたものだ。
まだ4月半ば。阪神だけでなく、どのチームにも上位を狙うチャンスはあるはず。シーズンも人生と同じで順風満帆に行くことはない。ここからである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




