完敗である。相手先発は試合前まで防御率0・65を誇る平良海馬だ。その平良から5回に代打・嶋村麟士朗のチーム49イニングぶりとなる適時打で1点こそ奪ったものの内容は完全に抑え込まれた。それを象徴したのが今季初の「クリーンアップ無安打」だ。
ここで言うクリーンアップとは、もちろん、森下翔太、佐藤輝明、そして大山悠輔の阪神打線が誇るドラ1トリオのこと。ここまで必ずこの3人のうち、誰かが打ってきたのだが、今季54試合目にして、いずれも無安打に終わったのだ。
これで阪神はパ首位・西武の前に連敗。本拠・甲子園でもついに5連敗となった。雨の中、声をからして応援した虎党の思いもむなしく勝利の「六甲おろし」は歌えない。9回に相手クローザー・岩城颯空から敵失を絡め、無安打で1点を返し、前日同様にあきらめない姿勢こそ見せたが勝利には届かなかった。
交流戦は3カード8試合で2勝6敗に。チーム状態がよくないのもあるが感じるのは、やはりパ・リーグ球団との差か。特に先発投手、特にこの日の平良だ。佐藤輝明を打席に迎えたときの気合の入り方というか、インサイドにガンガン、威力のあるストレートを投げ込んできたのは圧倒された。4回に佐藤、大山悠輔が連続三振を喫したのはセ・リーグでの戦いではあまり見ない場面のような気もしたのだ。
西武とはもう1試合残っている。雨で流れた試合がいつ入るかもまだ発表されていないので、誰が投げて来るか当然、分からないが苦戦は予想される。毎年のことながら難儀な交流戦だ。
そうは言っても大事なのはバタバタしないことだろう。試合前、少し驚いたのは小幡竜平のファーム行きだった。前日、失点につながる1プレー2失策を記録していたが、いきなり登録抹消というのには正直、驚いた。ベンチ裏での様子など外部からはうかがえないものもあるのだろうが指揮官・藤川球児の内面が伝わってくる気もしたのだ。
「言葉で言うと(個々の状態が上がるのを)待つとか、何かするとか、何でもいいですけど。(状況は)動いているものですから。また明日、それしかないですね」。連敗からの打開策の問いに球児はそんな話をした。その言葉通り、ここはどっしり構え、打つべき策は大胆に打って、という時期だと思う。(敬称略)(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




