この局面“横綱相撲”である。1カ月以上、間が空いての甲子園。長期ロード明けで2位巨人と1・5ゲーム差での激突。ヒリヒリする試合を予想したがフタを開ければまず完勝だ。

投げては先発・村上頌樹から進境著しい勝ちパターンの木下里都、工藤泰成とつなぎ、巨人打線を相手に1失点。打っては近本光司の先頭打者本塁打で先制し、中押し、ダメ押しときた。終わってみれば4-1で危なげない展開だ。

そういう流れだったため、阪神の攻撃は8イニングで終わった。これは今月9日の中日戦(京セラドーム大阪)以来、15試合ぶりのこと。ここまではすべて9イニング、攻撃していた。

「先制して勝ってるんやから当たり前やろ。そもそもビジターばかりやったし」。そう思われるかもしれないが久しぶりに感じるのは先週18日から戦ったヤクルトとの3連戦(京セラドーム大阪)があったからだ。

阪神はここで2勝1敗と勝ち越しているが1、2戦はいずれもサヨナラでの勝利。指揮官・藤川球児の目指す「投手を中心にした守りの野球」では主催の場合は8回の攻撃で終わりたいはず。しかし長期ロード中に6試合あったホームゲームでそれができたのはわずか1試合だけだ。

なぜ、このタイミングでこんな話をするか。もちろん今後の日程を考えるからだ。ちょうど前監督・岡田彰布(オーナー付顧問)はこの日、ラジオ解説でこんな話をしていた。「ちょっときついかも分からんねえ。(屋内は)1試合だけなんですよ。あと全部外なんですよね」―。

阪神は残り28試合。そのうちドーム球場は9月12日の巨人戦(東京ドーム)のみで、残り27試合は甲子園、横浜スタジアムなど屋外球場での開催だ。

とにかくこの日の甲子園は蒸し暑かった。ナイターにもかかわらず座っていても汗が吹き出てくる感じだったのである。この3連戦はもちろん、9月に入ってもすぐに涼しくはならないだろう。体力を消耗する中でのラストスパートになるのは間違いない。だからこそ、この日のような勝利を積み重ねていくのは意味があると思う。

「これを板につけなきゃというところ。この戦い方をベースに持っていくことを(監督に)就任したときに言っていますから」。球児も言葉を選びつつ、そう話したのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)