「心配」が減ったと言っていいだろうか。「ビッグマッチ」と位置づけた3連戦で阪神は巨人を相手に3連勝を決めた。決勝点が近本光司の「センターゴロ」というのもしぶい。森下翔太、佐藤輝明がノーアーチでの3連勝でもあった。

「心配」と言ったのは甲子園での巨人戦のことだ。今季ここまで東京ドームでは相手を圧倒してきた阪神。スイープも2度あり、実に10勝2敗だ。それに比べて甲子園ではよくなかった。カード前まで3勝5敗と負け越していたのだ。

それが、この3連勝で6勝5敗と一気にひっくり返す形になった。巨人戦は残り2試合だ。甲子園と東京ドームで1試合ずつ。10月1日、甲子園での最終戦に負ければ本拠での勝ち越しはなくなるが、とりあえず負け越しはなくなった。

なにをクドクド書いているか、と言えば、もちろんクライマックスシリーズ(CS)の話である。このまま阪神がゴールを切るとして2位は巨人が堅い。3位争いはまだ熱いが、巨人はここまで阪神以外にはいい戦いをしているのでファイナルには巨人進出の可能性が高いと思う。

そこで感じていたのが甲子園での巨人戦は分が悪い…ということだ。このまま首尾よく悲願の連覇をはたしたとしてもCSで敗退してしまえばガッカリ感は否めない。もちろんリーグ連覇に変わりはないのだが、やはり3年ぶりの日本一を目指し、日本シリーズに出たいはずだ。

それだけに「甲子園でも巨人を倒せる」という実感が欲しかったのである。その意味でこの3連戦はよかった。本塁打はこの3連戦で両軍合わせ、1本だけ。28日の初戦、近本が先頭打者で放った3号ソロのみである。そこで勝った。

村上頌樹、大竹耕太郎、そして才木浩人と先発投手すべてに白星だ。まさに「投手を中心とした守りの野球」が展開できたということである。この日は7回に2番手・及川雅貴を助ける中野拓夢の美技も出たし、締まっていた。

これで4・5ゲーム差。もう間違いない…と言いたいが楽観はしていない。阪神は残り26試合、巨人は24試合。巨人からすれば阪神戦は残り二つだけ。「巨人は他球団に強い」と前述したがそこで大きく勝ち越してくれば…。「ファンの方に胸を張れるような戦いぶりだった」と話した指揮官・藤川球児。いよいよ9月のラストスパートだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対巨人 3回裏阪神1死二、三塁、中野拓夢の2点適時打で生還した二走近本光司(右)を出迎える森下翔太(撮影・上山淳一)
阪神対巨人 3回裏阪神1死二、三塁、中野拓夢の2点適時打で生還した二走近本光司(右)を出迎える森下翔太(撮影・上山淳一)