第99回全国高校野球選手権大阪大会が8日、京セラドーム大阪で開幕した。大阪国際大和田は刀根山に勝利し、大会1番星。同校にとっても10年の創部以来夏初勝利となった。14年から毎年被災地復興の東北遠征を行っており、地元選手らと交流。刺激を受け、夏1勝につながった。決勝は30日に行われる。
待ちに待った白星の喜びを大阪国際大和田・藪木隆史監督(28)はかみしめた。「夏だけ勝てていなくて、校歌を歌いたいと思ってやってきました」。10年創部以来、8度目の夏。大阪大会開幕カードに登場し、ついに夏初勝利を挙げた。
初回に先制されたが、その裏、敵失と連打ですぐさま同点に追いついた。3回には米田宜由(よしゆき)内野手(3年)の右前適時打で勝ち越し。5回に伊藤玲央外野手(3年)の左越え適時打などで2点を追加し突き放した。
苦労も、苦労とは思わない心を培ってきた。いつも練習を行うグラウンドは、サッカー部、テニス部と共用。藪木監督は「ダイヤモンドも取れない広さ」と笑う。月曜日は完全オフで練習時間も毎日2時間と限られる。ティー打撃やトス打撃に時間を割くなど工夫を重ねた。基本を徹底した選手は、この日もしっかりとミートする打撃を連ねた。
東北の球児にも刺激を受けた。藪木監督が就任した14年から、毎年8月に東日本大震災の復興支援の東北遠征を行う。宮城・南三陸町を訪れ、農地復興のボランティアや、現地の高校と練習試合を行う。そこで気がついたのは「野球ができるありがたさ」だった。練習試合で訪れた学校のグラウンドは壊滅状態。米田は「土が盛られているのを見て、工夫して(練習を)しているんだなと思った。自分たちもやらなくては」。主将の伊藤も「環境に文句を言ったりしていたけど、被災地の人たちがもっとつらい経験をしていた。勇気をもらった」。言い訳をせず、今あるものと向き合うきっかけになった。
藪木監督も言った。「野球ができる環境のありがたさを感じました」。感謝の気持ちを胸に、夏の戦いは続く。【望月千草】

