公立高・久米田の挑戦が終わった。5回コールドでセンバツ準Vの履正社に敗れた。
1回に5点、2回に8点、3回に7点と大量失点が続いた。だが、4回から登板した水上大輝外野手(3年)が4回を無失点で抑えると、沈んでいたベンチの空気が一変した。「いけるぞ!」。自然と声が上がり、いつも以上に盛り上がった。
そして、0-20の5回にチャンスが訪れた。1死満塁。4回から出場した9番岩田隼人外野手(3年)は、打席に入る前に帽子のつばを見た。「■」。福永千珠(ゆきみ)さんと稲井千夏さん(ともに3年)の2人のマネジャーが、3年生18人全員の帽子のつばに書いた文字だ。
「後ろの打者につなごう」と考えた岩田は、ストレートを振り抜いた。一ゴロになったが、三塁走者が生還。センバツ準Vチームから意地の1点をもぎ取った。
試合後、岩田は「履正社は体の大きさも、スイングスピードも全然違う。比べものにならない」と脱帽。1-20の大敗に「やっぱり少しの悔しさはあります。でも、1点返せたのは大きいし、いつもより楽しかった」と、さわやかな笑顔で話した。【中島万季】
※■は繋の車の下に凵