上宮が阪南大高に競り勝ち、ベスト8進出を決めた。27日に行われる準々決勝の相手は、汎愛。上宮太子をやぶったチームに、兄弟校のリベンジを誓った。

 5-1で迎えた8回。先発の巻大地投手(3年)が先頭打者を四球で出塁させ、失策と中越え三塁打などで1点差まで詰め寄られた。ここで村田侑右監督(31)は、人見健太投手(3年)にスイッチした。

 人見は8回のピンチの場面から、村田監督のそばに行ったり、グラブにボールを投げたりして存在をアピール。1点差になった瞬間に、監督とやっと目が合った。「明日も試合で、巻も疲れが見えている感じだった」と人見。今か今かと登板を待っていた。

 2死三塁、一打同点の場面も4球で空振り三振にしとめた。9回も3者凡退に抑えてゲームセット。「こんなところで負けられるか。上を目指してやっている」と強い気持ちで打者を抑えた。

 この日、大阪シティ信用金庫スタジアムでは、兄弟校の上宮太子が汎愛に6-9で敗れていた。上宮の村田監督をはじめスタッフ陣は、先に行われたこの試合の応援に訪れていた。「負けてしまったんで、敵討ちができるように」と村田監督。上宮は普段、上宮太子のグラウンドや室内練習場を借りて練習を行っている。人見も上宮太子のエース森田輝(ひかる)投手(3年)とよく話す仲。大会がある時は「あそこの1番が打つぞ」などとアドバイスを送り合っていた。「上宮太子とやりたいと思っていた」。願いはかなわなかったが、上宮太子の分まで勝ち進むつもりだ。