春夏12度の甲子園出場を誇る学法石川(福島)の新監督に仙台育英(宮城)の前監督、佐々木順一朗氏(58)が就任することが25日、分かった。同校が発表し、29日に就任会見が行われる。22日の秋季県大会準々決勝の福島商戦に佐々木氏が観戦に訪れていたが、2-4で敗戦。来春のセンバツ出場が絶望となっていた。

佐々木氏は昨年12月に元部員らの飲酒喫煙が発覚し、仙台育英の監督を引責辞任。今年3月末をもって同校を退職していた。同氏は東北高(宮城)OBで、エースとして2度の甲子園出場。早大、NTT東北を経て、93年から仙台育英のコーチに就任し、95年から監督となった。春夏19度の甲子園出場で通算29勝を挙げ、最高成績は01年春と15年夏の準優勝。17年夏の甲子園3回戦では、優勝候補の大阪桐蔭を9回2死走者なしから逆転サヨナラ勝ちで下した。自主性を重んじる指導法でプロ選手を多数育てており、ソフトバンク上林誠知、ロッテ平沢大河、オリックス佐藤世那、楽天西巻賢二らを輩出した。

学法石川は、故柳沢泰典監督の情熱的な指導で76年春のセンバツ、同年夏の甲子園に連続で初出場し、以後は県南地区の私学強豪として台頭した。プロ選手は元大洋の遠藤一彦投手、元巨人伊藤博康外野手、元ダイエー作山和英投手ら多数輩出。チームは99年夏の甲子園を最後に甲子園から遠ざかっている。近年は聖光学院が夏12連覇を達成しており、佐々木氏の新監督就任が「ストップ・ザ・聖光」の切り札となる。