村上桜ケ丘は東京学館新潟を10-6で下した。8番小田有希(ともき)三塁手(1年)が3安打5打点の大暴れ。先発の山田尚幸投手(2年)は9回130球を投げ完投し、2回戦で日本文理を破った今夏の準V・東京学館新潟に打ち勝った。北越は25安打、26得点の猛攻で新潟青陵に5回コールド、26-1で爆勝した。

試合後には4回戦以降の組み合わせ抽選が行われ、村上桜ケ丘は長岡大手(新発田市・五十公野公園野球場)、北越は関根学園(三条市・三条パール金属スタジアム)とそれぞれ戦うことが決まった。20日は試合がなく、4回戦8試合は21日に行われる。

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小田有の猛打ショーで打撃戦を制した。幕開けは3回2死一、二塁の第2打席。「きっちりとアウトローをスイングできた」と左中間を破る適時二塁打で走者を一掃。この回一挙6点を挙げる猛攻の仕上げとなった一打を小田有は、ガッツポーズをつくり喜んだ。

この一打で波に乗った。続く打席で右翼の頭を越える2点適時三塁打。8-6と追い上げられた7回2死三塁の第4打席では二塁へのゴロを俊足を飛ばし適時内野安打にし、5打点目。巡ってきたチャンスで結果を出し続けた小田有は「夏休みの練習が結果につながった。勝つことができてうれしい」と笑顔だった

東京学館先発・高橋投手とは1カ月ほど前に練習試合で対戦。小田有は右翼越えの三塁打を放つなど「球の軌道も分かっていて、打てるイメージはあった」と好印象があった。加えて試合前には「四球の後は外角低め」「低めを捨てる」など打席での約束事を設定。冷静な頭で打席に入ることで、3安打を生み出した。

夏の初戦敗退を受け、例年より長い夏の練習期間を過ごした新チーム。「勝つために」と打撃向上に取り組んできた小田有を松田忍監督(70)は「この夏、1年生の中で一番成長した選手」と評価する。それでもこの日の出来は想像以上だったようで「あそこまでできるとは」と目を細める指揮官の姿があった。

「この試合のようにどんどん声を出して戦っていきたい」と小田有。昨秋準Vの新潟南、夏優勝・日本文理、夏準Vの東京学館新潟と強豪ひしめくブロックを村上桜ケ丘が勝ち抜き、16強へと駒を進めた。【山岸章利】