3月の第21回全国高校女子硬式野球選抜大会(埼玉)に出場予定だったクラーク仙台(宮城)が1日、仙台市内で約1カ月ぶりに練習を再開した。同選抜は夏の選手権に並ぶ高校女子硬式野球の2大大会だが、2月下旬に新型コロナウイルスの感染拡大により中止が決定。同部は3月1日以降の活動を自粛し、各自で自主練習を行っていた。

グラウンドに集結した選手たちはマスク姿だった。同ウイルスの感染リスクを減らすための措置で、石田隆司監督(30)は練習前に「ハイタッチはもちろん濃厚接触の禁止。感染予防を徹底すること。もし体に異常が出たらすぐに報告すること」と注意喚起した。続けて「夏にテッペンを取って、こんな状況でも優勝したという最高の思い出をつくろう。一ではなく、ゼロからスタート」と選手の心に火をつけた。

同大会が順調に開催されていたら、今日2日は準決勝2試合が行われる予定だった。2月下旬に同監督から中止が発表された際には、悔し涙を流す選手も多かった。庄司美空主将(3年)は「中止を聞いた時は驚きが大きくて、信じたくなかった。選抜に向けて調整をしていたので、心に穴が開いた感じだった」と振り返った。

今年で創部3年目。1期生の現3年生は全国準優勝を2度経験しているが、優勝は未経験。夏の選手権がラストチャンスになる。エース右腕・小野寺佳奈(3年)は「今回の春に懸けていた思いは強かった。まずはチームが1つになることをしっかりして、必ず日本一を取ります」。頂点を目指し、険しい道を進んでいく。【相沢孔志】