新潟県高校夏季野球大会の決勝が6日にハードオフ新潟で行われ、日本文理と中越が激突する。2年連続11度目の“夏”制覇を狙う日本文理は主軸としてマウンドに立ってきた背番号5の長谷川優也内野手(3年)が万全の態勢。いつでも投げられる用意をして臨む。2年ぶり12度目の“夏”王座を目指す中越は県内屈指の速球右腕、エース佐藤旦有夢(あゆむ)投手(3年)が日本文理打線に立ちはだかる。

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長谷川はいつも通りのルーティンで前日の準備を終えた。5日、ブルペンに入らず30球ほどのキャッチボールで調整。4日の準決勝の村上桜ケ丘戦後、接骨院でマッサージを受け、酸素カプセルに1時間ほど入りリフレッシュ。決戦への準備を整えた。

今大会は4試合に登板し先発は3試合。計16回で7安打13奪三振。村上桜ケ丘戦は3番手で登板し、3回を3安打1失点と初失点した。「アップ不足だった」と原因は分かっている。決勝はエース種橋諒(3年)との兼ね合いで先発は微妙だが「いつでもいける準備をしておく」と不安はない。「自分たちの野球をすれば勝てる」と強敵・中越相手にも自信を見せる。

1年春から主力打者の1人だったが、今年は投手を意識し夏を迎えた。冬場から下半身強化に徹し、新型コロナウイルスの影響で春季県大会が中止になっても体作りは怠らなかった。最速143キロの速球にスライダー、カットボールなど変化球の制球力もアップ。プロ注目右腕に成長した。

何より「強くなった」と自負するのが精神面。主将の平野貴史捕手(3年)を支える副主将としてチームメートを叱咤(しった)激励し、まとめてきた。「県1位で高校野球を終える」。高校最後の試合に向け、決意を新たにした。【斎藤慎一郎】

日本文理 鈴木崇監督(39)は「中越さんとの決勝を楽しみたい」と話す。新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれる中で開催された大会。「ケガなくここまでこられた。選手はよくやってきた」と選手の踏ん張りをたたえた。平野主将は「いろいろな方のご尽力で試合ができたことに感謝したい」。そして「グッドゲームをする。思い出づくりではなく、勝つための試合」と意欲を口にした。