帝京に、新たな右腕が現れた。新チーム初戦に先発したのは、安川幹大投手(2年)。自身、初の公式戦登板に背番号1で臨んだ。初回表に2点の援護を受けたが、その裏の先頭に二塁打を打たれ、そこから1点を失った。それ以上の援護がない中、2回以降は丁寧に低めに集め、0を並べた。3安打1失点完投勝利。三振は9つを数えた。
「スライダーがコントロールよく、低めにいきました。それを使って、どう投げるかを考えました。打線が打てない時に、どうするかが大事」と、初の大役を堂々と果たした。
今夏の独自大会では、同じ2年生右腕の植草翔太投手が公式戦デビュー。3回戦の目白研心戦で7回完封した。安川は「同学年として、うれしい気持ちと、悔しい気持ちがありました」と正直に打ち明ける。ベンチ入りこそ、1年夏に果たしたが、試合では投げる機会がないままだった。それが、新チームとなり背番号1を手にした。「びっくりしました。植草よりやってやるんだと、その気持ちだけは持って、やって来ました」とライバルの存在が刺激になっている。この夏も毎日、ブルペン入り。フォーム修正に取り組み、制球が安定した。
前田三夫監督(71)は、打線が苦戦することは覚悟していたという。2回以降、6イニングで得点圏に走者を進めながら、追加点が奪えなかった。それだけに「安川がよく頑張った」。背番号1とした理由は「意欲的に練習していた。変化球のキレが出てきた」からだ。終盤は背番号10の植草がブルペン待機したが、助けを借りる前に安川が投げ抜いた。
身長180センチの安川に、同188センチの植草。前田監督は「2人が、うまく競争してくれれば」と話した。今夏の東東京独自大会で優勝し、来春センバツ出場へ期待が高まっている。長身右腕が2枚看板となり、その原動力となる。【古川真弥】
◆安川幹大(やすかわ・かんた)2003年(平15)5月14日生まれ。東京・江戸川区出身。小学2年で平井ビクトリーズで野球を始めて以来、投手。中学は小松川第一中(軟式)。帝京では1年夏にベンチ入り。最速141キロ。変化球はスライダー、ツーシーム、チェンジアップ。楽天岸を参考にワインドアップで投げる。身長180センチ、体重76キロ。右投げ右打ち。

