プロ注目の投打二刀流・阪上翔也外野手(2年)が、5回2安打1失点、10奪三振と好救援して延長12回サヨナラ勝ちに貢献した。

「3番中堅」で先発し、打撃は4打数無安打に終わったが、1点リードの8回から3番手で登板し「マウンドに上がると気合が入った」と奮起。「調子が悪い部分はあった」と1死から同点ソロを浴びるも、その後は最速145キロの直球に加え、カットボールやスライダーがさえた。9回は3者連続三振。10回2死三塁のピンチも「自信がある」高め直球で空振り三振を奪った。8回からの投手戦で1歩も引かず。チームは延長12回にサヨナラスクイズで勝利した。

兵庫・伊丹市出身。だが、中学3年間は少年野球の指導者をしていた祖父・引次さんが暮らす和歌山県で“武者修行”した。「楽しそうだった」と移住し、引次さんが監督を務めていた打田タイガース(現打田ヤングタイガース)で野球漬けの日々を送った。祖父からもらったアドバイスは「とにかくバットを振れ」。1日30分以上をノルマに、自宅の庭や和室でバットを振り込んだ。「和歌山で過ごして、野球の能力がついていきました」。すり切れた和室の畳は、自身の基盤を固めた3年間の証し。高校野球の舞台には「家族もいて、兵庫県は強いので寮生活をしてもっと強くなりたい」と激戦区を望んで地元に戻った。

打っても投げても両面で際立つ二刀流。「ぶっちぎりで勝って近畿大会で優勝したい。神宮へ行ってセンバツも出場して、国際の名前を全国に広めて、『兵庫県といえば国際やな』と言われるように印象づけたい」。春夏連続出場した17年以来、4年ぶりの甲子園へひた走る。【望月千草】