投打二刀流でプロからも注目される神戸国際大付の阪上(さかうえ)翔也外野手(2年)が、熱血リリーフで8強入りへ導いた。

初回に2点を先制される苦しい展開。4回2死二塁のピンチを迎えると3番手として中堅から阪上がマウンドへ。2球で遊ゴロに仕留めた。5回からは奪三振ショー。7回の5番打者からは5連続三振を奪った。「絶対に抑えられると思った。ピンチになっても投げていてメチャ楽しかった。勝ちたい一心だった」。自己最速145キロ右腕はこの日も140キロ台の直球を軸に、鋭い縦のスライダーなどを混ぜ「0」を重ねた。

打線が9回2死から2点を奪い同点に追いつくと、延長13回までひとりで投げ抜いた。「ここまで長く投げるのは初めて」と9回1/3、139球を投げ2安打無失点15奪三振も試合後は疲れも見せずケロリとした表情で勝利を喜んだ。

兵庫・伊丹市出身だが中学3年間は祖父が暮らす和歌山へ武者修行。打田中では陸上部にも所属し200メートル走で県大会2位の成績を残した。「近畿大会は野球の試合と重なったので出なかった。自己最速は22秒台後半」と話す。

青木尚龍監督(56)は「投球は良かったが投げて打てないと。いい選手はたくさんいる。すごい選手にならないと」と、目標のプロになるためには二刀流の打でも力を出さないといけないと、期待が高いからこそ4打数無安打だった打撃面を指摘した。スタンドには阪神、ヤクルトなど4球団が視察。スカウト陣も投打で大きく成長することを楽しみにしている。