国学院栃木のシャピロ・マシュー一郎投手(3年)は、成長痛の影響で公式戦登板は3年の夏だけだったが、9月のプロ志望高校生合同練習会(東京ドーム)で一気に名を上げた。シート打撃に登板し、打者6人を無安打1四球4連続三振。米国人の父を持ち、恵まれた体格から放たれる最速147キロの直球は威力抜群。「進化した姿を見せたかった」とYouTubeの「マエケンチャンネル」からツインズ前田を参考にしたスライダーを効果的に使い、直球一辺倒ではないこともアピールした。

合同練習会という特別な機会を活用し、他の参加者と積極的に情報を共有した。ノースアジア大明桜(秋田)の佐々木湧生投手(3年)からは「スライダーの回転数が少ないよ」と助言を受け「変化球への意識が変わった。大切さがより実感できた」。総合力のある投手を目指している。

プロへの準備は万全だ。栄養学、語学を磨くだけでなく「夢を与える職業」として雑誌を読んでファッションまでも勉強を開始した。起床や就寝の生活リズムもプロのナイターの時間に合わせた。いまだに身長が伸びている大器。伸びしろは十分だ。【小早川宗一郎】