智弁和歌山(和歌山3位)が、市和歌山(同1位)に4安打完封負けを喫し、来春のセンバツ出場が危うい状況に追い込まれた。

智弁和歌山が公式戦で完封負けを喫するのは、18年秋の近畿大会準決勝で明石商に0-12で敗れて以来2年ぶりの屈辱。

市和歌山には、今秋の県新人戦と県大会の準決勝でも敗れており、三度目の正直とはならなかった。

相手の好投手・小園健太(2年)に4安打と沈黙。中谷仁監督(41)は開口1番、「完敗ですね」と苦笑いを浮かべた。「三度目の対戦と言うことでしっかり対策したつもりでしたけど、つもりで終わった。小園君は高校生なら(球の)曲がりやスピードに興味が向きがちだけど、バッターが嫌がるまっすぐに見える変化球のキレがあった。まっすぐが早いだけじゃない、大きく見過ぎるなと言っていたけど、今のメンバー、僕の指導力では攻略できなかった」と相手の技量を認めた。クリーンアップは4番徳丸天晴外野手(2年)の中前安打1本のみに終わり「(軌道が)まっすぐと思ったら沈む。打ってほしい打者がことごとく打ち取られた」。キレのある変化球と、要所で来る球威ある直球の組み立てに手玉に取られる結果となった。

先発の中西聖輝投手(2年)は、初回1死満塁から連続の押し出し四死球で2点を献上し、適時打なしでの敗戦。「緊張や不安で体が思うように行かず修正仕切れなかった。3ボールになっても立て直せる修正能力をつけないといけない」と夏に向けての課題を持ち帰る。