第61回春季全道高校野球地区予選の組み合わせ抽選が21日、全10地区トップを切って札幌地区で行われた。昨年王者の札幌日大は、昨秋はコロナ禍で出場を辞退したため新チーム最初の大会となる。

秋冬と地道に蓄えてきた力を、まず春の舞台で出し切る。初戦は恵庭北に決定。前川周也主将(3年)は「秋に出られなかった分、楽しみ。1戦1戦全力で戦い、全道優勝を目指す」と2連覇を目標に掲げた。

昨秋は校内で新型コロナ陽性者が出たため9月中、全部活動が休止。出場辞退を強いられ前川は「甲子園につながる大会が1つなくなり虚無感が大きかった」。昨夏準V腕の兄佳央(日大1年)に伝えると「まだ夏が残っている」と励まされた。森本卓朗監督(41)には「こういう経験をしたからこそ夏に優勝する価値が高まる」と諭された。少しずつ気持ちを取り戻し、前川は「夏1本にかける思いが高まった。兄の悔しさと、秋の分まで、目いっぱい戦おうという気持ちになれた」と振り返った。

前川を支える副主将には、新チームから捕手転向の久保田陽喜(3年)が就任した。前チームでは主力遊撃手として昨夏南北海道大会準優勝を経験。決勝の北海戦では、同点の8回裏に自身の送球ミスから勝ち越し点を許した。号泣する久保田は、先輩たちから「泣くな。お前がいたからここまで来られたんだ」と慰められた。「1プレーに対する重みを知った。この経験を絶対、無駄にはしない」と春の舞台へ意気込んだ。

主砲の前川は冬場に1日8食に筋力トレも絡め体重を秋から13キロ増の87キロに上げ「打球の伸びが変わった」。捕手初体験の久保田は秋冬の練習で「最初は景色が違うと感じたが今は気にならない。肩は自信があるし配球は遊撃のときから意識してきた。試合を動かせて楽しい」。戦いに飢えた札幌日大が、2人のキーマンを軸に、激戦区札幌地区をかき回す。【永野高輔】