<高校野球群馬大会:健大高崎9-0前橋東(7回コールド)>◇22日◇準々決勝◇上毛新聞敷島球場

前橋東のエース大森柊河投手(3年)は、悔しさに言葉を詰まらせながら涙を流した。「先制された時に(伝令から)『1点で抑えれば勝てる』と言われたけど5点も取られてしまって…」。初回こそ3者凡退に抑えたが、2回に集中攻撃を浴た。打者一巡で、この回だけで5安打5失点。高崎健康福祉大高崎の強力打線を止められず、5回途中で2番手の石原歩投手(3年)に交代した。

春の大会の2回戦、大森に不運が襲った。ピッチャーライナーが頭に当たり、緊急搬送。外傷性くも膜下出血、頭蓋骨を含む3カ所を骨折。1カ月間、野球をすることはできなかった。退院して学校に行った初日、「部活は出られない」と教室に1人でいると、チームメートが迎えにきて、石原が「これで初戦敗退は免れたな」と声をかけてくれた。その言葉に「自分はチームの一員なんだ」と助けられた。

5回、石原に交代する時「あとは託した」と今度は自分が声をかけた。「石原のおかげで成長できた」と感謝を口にした。

偶然にもこの日は18歳の誕生日。打席に立つとバースデーソングが応援席から聞こえた。相手の応援席からも拍手が届いた。「運が良くて恵まれている」。仲間に支えられた2年半だった。【星夏穂】