土浦日大(茨城)が5年ぶり5度目の夏の甲子園出場を決めた。一度マウンドにできた歓喜の輪が、三塁側ベンチ前に移動した。遅れてゆっくりと出てきた主将の塚原歩生真(ふうま)捕手(3年)がその中心にいた。「みんなが待っててくれた。こいつらと野球をやってきて良かった」。不動の扇の要が、この日は欠場。24日の準決勝で受けた頭部死球の影響で、48時間の安静を指示されていた。

準決勝当日はそのまま入院。前日25日に退院したものの、試合出場はドクターストップがかかっていた。チームは「塚原を絶対に甲子園に連れて行く」と団結を深め、3点を追う9回に打者一巡の猛攻で5得点。主将への思いが逆転勝利を生んだ。

母ゆりかさん(52)は「(準決勝の死球の瞬間は)頭が真っ白になってしまった」とショックを隠せなかったが、「仲間を信じて応援しよう」と背中を押した。言葉通り、塚原は大声は出せなくても「明るい声かけができた。自分はそういうキャラなので」と、劣勢の展開でもベンチの雰囲気を盛り上げた。

仲間の奮闘でまたグラウンドに立つことができる。「今もこうやってユニホームを着て、野球ができることに感謝している。命があることがありがたい」と言葉を紡いだ。甲子園に向けて、「チームとしてもう1度、1つになりたい」と意気込んだ。頼れる主将が夏の聖地で躍動する。【村山玄】