連載「22年V、23年準V 仙台育英 強さの秘密」第3回は、2年連続で夏の甲子園決勝にチームを導いた須江航監督(40)にスポットを当てる。今年も数々の名言でチームを鼓舞し続けた指揮官。仙台育英時代の同期で、今は対戦相手でもある仙台東・芳賀崇監督(40)に須江監督の学生時代や采配の印象などについて聞いた。
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出会いは1年の春だった。芳賀監督は、入学前から同校の練習に参加。埼玉から入学した須江監督は学校の近くに下宿し、入学後から練習に参加したという。入学当初は応援練習やランニングなどを主に行っていたが、スタート地点が若干違っていたこともあり、「須江の印象は『長距離が速い選手』でした」。
3年春の01年センバツは、2年秋からグラウンドマネジャーを務めた須江監督が記録員、自身はエース左腕として準優勝に輝いた。「須江がベンチで記録員をしていたことは、どの試合も選手にはプラスだったと思います。佐々木(順一朗)監督と選手の中間に立ち、私たちにうまく伝えてくれました。当時の甲子園の映像を見る限り、1番声を出していました」と、とても大きな存在だった。
現在は仙台東で指揮を執り、公式戦で対戦する機会もある。同じ指揮官として須江監督の野球について「選手個々の能力が高いのはもちろんですが、場面に応じた隙のない、手堅い野球を9回積み重ねている」と評する。その通り、今夏甲子園3回戦の履正社(大阪)戦では3-3の8回無死二塁の場面で、4番の犠打で走者を進め、5番が勝ち越しスクイズ。1点が欲しい場面で1点を確実にもぎ取る采配で強豪を撃破した。さらに「エース級の子がそろい、役割分担をしてうまく起用している。他の県立校では到底まねができないような采配」と母校のレベルの高さを認める。
「(仙台育英の)同期では今は6人が指導者になっています。また、先輩や後輩もスポーツ少年団や大学で指導したり、いろいろな立場でやっています。(仙台育英の活躍は)みんなの励みになっていると思います」。2年連続決勝進出を果たした母校の活躍に刺激を受け「それに続け!」と奮闘する-。好循環を生み出す土壌が仙台育英にはある。【相沢孔志】

