中央学院(千葉)が持ち前の機動力野球で耐久(和歌山)を圧倒し、春夏通じて甲子園初勝利を飾った。途中出場の岩崎伸哉外野手(3年)が足を絡めて流れを引き寄せ、勝利につなげた。

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背番号17のラッキーボーイ、中央学院の岩崎が、50メートル5秒9の俊足で流れを変えた。1点リードで迎えた6回、1死二塁から代打で登場。中前へしぶとく落とし(記録は遊安打)出塁すると、続く青木の左越え三塁打で、一塁から一気に本塁を陥れた。7回には2死三塁から投前へセーフティーバントを決め、三塁走者の森田を本塁へ迎え入れた。岩崎は「足を生かすため、自主練習では走塁やバントに徹してきた。甲子園で披露できてよかった」。相馬幸樹監督(44)は「彼のベストプレー。試合でやったことなかったんだけどね。それでいいじゃん(笑い)」と、してやったりだ。

日ごろの取り組みで準備を尽くしてきた。昨夏、新チームスタートから部内部活を導入した。ソウマジム部、ダンス部、クッキング部、ボイパ部、ラップ部、お笑い部、英語部、植物部。「レギュラー、レギュラー外の序列をなくしたかった。コミュニケーションのプラットフォームがあれば、野球以外でも活躍できる場がある。仲間作りにもなる」この日活躍した岩崎はボイパ部。「野球以外の会話も増えて仲良くなれる。楽しいですよ。野球も自分の役割を全うしようと思うんです」と、日々の活動で責任感を強くした。

「それでいいじゃん」は、相馬監督の口ぐせだ。昨秋から、チームに求めてきたのは「人事を尽くして天命を待つ」。プレーで失敗してもいい。積極プレーが次の成功を生む。選手たちに親しみを込めて言う。「それでいいじゃん」と。新たな取り組みで、高校野球の常識を覆しスタンダードを作る。チームが目指すのは、もちろん頂点だ。【保坂淑子】

 

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