大会直前に父を亡くした金足農(秋田)・近藤暖都外野手(3年)が、家族の前で約束の甲子園をつかんだ。第1打席で安打を放ち、盗塁を仕掛けるなど躍動。2点リードの9回無死一塁の右翼の守備では、足をつって打球を後逸。試合が10分以上中断し、その後一打逆転のピンチとなったが、吉田大輝投手(2年)の熱投など仲間に助けられて優勝をつかんだ。「最後はもう打球を見るのも精いっぱいで。その中でも絶対決めてやると思って守ってました」と力を振り絞った。

6月24日の組み合わせ抽選会では、17年夏に甲子園に出場した兄寿哉さん(24)の母校・ノースアジア大明桜との初戦が決定。家族みんなで初戦を心待ちにしたが、父章さんは翌25日、くも膜下出血で急逝した。この夏は父の遺骨をポケットに入れてプレー。準決勝の秋田工戦では投手として先発し、5回無失点の好投だった。

寿哉さんは、父が生前着ていた金足農のポロシャツと帽子をかぶって観戦。試合後には兄弟でグータッチを交わした。「最後はもうお父さん頼む、お父さん頼むって。最後はお父さんがちゃんと見てくれてたと思います」と目を赤くした。母の幸美さん(53)は「こんなことあるんですね」と感激の涙を流した。近藤は「甲子園は楽しく笑顔でいきたいです」と力強かった。【黒須亮】

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