来春センバツの重要参考資料となる秋季東北大会が開幕し、仙台育英(宮城1位)が弘前学院聖愛(青森3位)を4-0で破り、初戦を突破した。3安打の土屋璃空外野手(2年)を始め、チーム11安打で着実に得点を重ねた。投げては、井須大史投手(1年)、吉川陽大投手(2年)で聖愛打線を完封リレーで封じた。

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土屋は、春と夏の悔しさを一打に込めた。相手は春季東北大会で敗戦を期した弘前学院聖愛。マウンドにいるのも前回、代打のチャンスで打ち取られた芹川丈治投手(2年)だった。「今日は初球から振っていく」。スイングした時の感覚でタイミングを計った。球種で判断はせず、外角のコースに狙いを絞り、2回は先頭で左前打を放ち、先制点を呼んだ。「自分の仕事はチャンスをつくること、つなぐこと」を3安打で実行し、雪辱を果たした。

脳裏にはもう一つのシーンが浮かんでいた。夏の選手権宮城大会、聖和学園との決勝。ラストバッターが土屋だった。当時、聖和学園の初優勝を報じるテレビ。反省しながらも気にしないそぶりを周囲に見せていたが、心の中は違った。「ラストバッターの自分が映る度、めちゃくちゃ悔しかった」と自分へのふがいなさがこみ上げる。「甲子園へ連れて行けなかった」と先輩たちに対する申し訳なさも混在した。

それは、成長への原動力になるには十分な出来事だった。選球眼やバッティングを鍛え直し実を結んだ。中学時代にU15日本代表をともに経験した東海大相模の金本貫汰内野手(2年)らが一足先に甲子園の舞台を踏んだ。その姿も刺激となり「安定してミスのない確率の高いプレー」をしなければ頂点にはいけないと学んだ。

「できるかできないかではない、やるべきことをやれば結果はついてくる」。信念を胸に、一戦必勝を積み重ねていく。【高橋香奈】