宮城工が今大会から導入のDH制を使用し、泉に10-2で7回コールド勝ちした。先発投手がDHを兼務できる「大谷ルール」を適用したエース藤沢陸投手(2年)が7回2失点(自責1)。打っては長打含む3安打3打点と期待に応えた。仙台工は0-23の5回コールドで仙台育英に大敗も、24年夏以来の単独チームで戦った。仙台一は宮城広瀬を15-5の5回コールドで退けた。
◇ ◇ ◇
仙台工は24年夏以来、単独チームとして久しぶりの公式戦を迎えた。スタメン9人中6人が1年生。入学からわずか2週間も、昨夏王者の仙台育英に立ち向かった。結果は大敗だったが、選手らの表情はすがすがしかった。唯一の3年生で主将の小室尚生外野手は「仙台育英さんとも9回まで戦えるように、夏までにしっかりと力をつけたいです」と反省する一方で、「試合ができて本当に楽しかったです」と言葉をかみしめた。
仙台工は部員不足により、24年秋から連合チームとして大会に出場していた。当時1年だった小室は、理想と現実とのギャップを感じ、同年冬に野球部を離れた。だが、1年たっても捨てきれない思いがあった。「やっぱり野球をやりたい」。顧問の先生にも声をかけてもらい、2年冬に野球部に戻った。人数不足に悩む現状は変わっていなかった。それでも「もう迷いはありませんでした」と決意は固かった。
そこには、先輩の存在もあった。1学年上で主将を務めた日野正太朗さんは、2年冬にチームメートがいなくなり、けがにも苦しんだ。それでも、たった1人の野球部員として伝統を守り抜き、昨夏引退した。「今、仙台工業があるのは先輩たちのおかげだと思っているので、本当に感謝しています」と小室。どんなことがあっても、バトンをつなぐと決めた。
春になり、新入生が13人入部。「すごくうれしかったです。でも今度はしっかりまとめられるかが心配で」と、現在はうれしい悩みに向き合っている最中だ。「悔いが残らないように、最後の最後まで全力でやりきりたいです」。これから先も仙台工の歴史は紡がれていく。【木村有優】

