一針崇人(いちはり・しゅうと)投手(3年)が、悔しさを糧に好投しチームの初戦突破に貢献した。
先発の宮辻大空投手(3年)に代わり、5-5の同点で迎えた6回から登板。1死二塁から左前打を浴びて二塁走者が本塁生還を狙うも、左翼手の好返球で本塁死とした。仲間に助けてもらうと、その後は要所を締める投球。生命線であるスライダーで4つの空振り三振を奪うなど「気持ちで絶対抑える」と9回まで2安打無失点で投げきった。
かつて指導していた大塚(大阪)で楽天村林らを育てた室谷明夫監督(43)も「スライダーが生命線の子なんですけど、とにかくよく曲がっていた。よく投げた」と出来をたたえた。視察に訪れたスカウトもその魅力を感じていた。
昨年夏は公式戦デビューながら背番号1をつけて急成長。チームを初の夏16強に導いた。だが昨冬以降、今春になってもなかなか状態が上がらず。体重を増やして体を大きくしたが、それをうまく扱いきれなかった。室谷監督とともにフォームを試行錯誤したり、下半身のトレーニング内容を変更したりと二人三脚で取り組んだ。
そして最後となるこの夏、もちろんエースナンバーを取りにいったが、もらったのは「10」。一針は「もう野球がもう嫌になったというか、気持ちが下がっていた」。しかし、最後の夏、ここで折れるわけにはいかなかった。「なんとかしてやる」と自分を奮い立たせ、調子も徐々に取り戻した。これには室谷監督も「よく7月にちゃんとピークを持ってきてくれた」と目を細めた。
次は、春王者の履正社ととの一戦。一針は「相手を考えずに気持ちだけで投げようかなと思います」。チーム目標のベスト8へ、苦しい時期を乗り越えた右腕が再び公立の星となる。【佐藤妙月】
◆一針崇人(いちはり・しゅうと) 2008年(平20)6月6日生まれ、大阪府豊中市出身。5歳から千里南丘少年野球部で内野手として野球を始め、豊中九中では千里山ボーイズと学校の準硬式野球部でプレーした。球種はストレート、ツーシーム、スライダー、カーブ、縦スライダー、チェンジアップ。178センチ、74キロ。右投げ右打ち。名字由来netによると、一針の名字は全国で約S50人と珍しい。

