ヤンキース田中将大投手(28)とレンジャーズのダルビッシュ有投手(30)がメジャーで初対決し、名勝負を演じた。互いに1歩も譲らず、田中は8回3安打9奪三振、ダルビッシュは7回2安打10奪三振で、ともに無失点に抑えた。メジャーリーグでも球史に残る投手戦を日本人2人が演出した。試合はヤンキースが延長10回、2-1でサヨナラ勝ちした。

 ダルビッシュも強力ヤンキース打線をわずか2安打に抑え、三塁を踏ませなかった。両リーグ最多の25本塁打を放ち、今最も恐れられている3番ジャッジには、速球とスローカーブの緩急で、3打数無安打2三振に封じた。6回2死から4者連続三振に切って取り、野茂に並ぶ日本人トップタイの通算31度目の2桁奪三振もマークした。

 右の上腕三頭筋に張りを感じたため、7回88球で降板したが、「全体的に右も左も緩急つけてコントロールよく投げられた。今年一番良かったと思う」と納得の表情を見せた。抜群の制球力で今季2度目の無四球と危なげなかった。

 田中との投げ合いは「意識しないようにしていた。イニングの間もベンチにいなかったですから、向こうのピッチングよく見ていない。本当に意識せずに普通に投げました」と振り返った。それでも多くの注目を集めた一戦を「こんな場所で日本人2人が投げ合って、こういう試合になったというのはすごく意味のあること。お互いにいい投球をできたので、引き立てあえたのかな」と感慨深げに話した。

 日本時代は「まさお」と呼んでかわいがった後輩。今は「自分がいつもアドバイスもらっている。LINEをして、こうなんだけど何でかなとか。年は違うけど同世代というか、そういう感じだと思ってます」と互いに認め合う。そんな2人がメジャーの舞台で最高の投手戦を見せた。