ツインズ前田健太投手(32)が節目のメジャー通算50勝目に到達した。12日(日本時間13日)、ブルワーズ戦に先発し、6回2/3を5安打2失点にまとめ、今季3勝目(0敗)を挙げた。立ち上がりからリズム良く、4回2死までは1本も安打を許さないパーフェクト投球。大量の援護もあり、危なげなく先発の役目を果たした。50勝到達は、日本人メジャーでは8人目となった。

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味方打線の猛攻が約25分間続いても、前田は泰然自若だった。5回の攻撃は、相手投手の乱調もあり、3安打4四球4得点の打者一巡。長いブランクの後にマウンドに戻ったが、たった7球で強打のブ軍打線を3者凡退に切った。先頭の5番スモークは内外角に変化球を散らし、追い込んでからの3球目チェンジアップで二ゴロ。12年本塁打王の6番ブラウンは、初球の外角スライダーで二飛。7番ギャメルは3球で遊ゴロに仕留めた。

5点を奪った2回の攻撃後も、わずか9球で3者凡退。長い待ち時間でも、全くリズムは狂わない。「攻撃が長いのはうれしいことだから、難しいなんて言わずに」と前向きにとらえ、続けた。「その分、守備の時間を短くしないといけないから、どんどんストライクを投げて相手を打ち取ることを考えた」。当然、そのための備えは怠らない。自分なりに体を動かし、集中力を維持。「タオルを持ってシャドーピッチングしたりとか、キャッチボールは基本的にやらないですけど、(攻撃が)長い時は軽く、1回だけしましたね」。ここまでの登板4試合で援護点は計30。前田のリズムが味方打線にもテンポを生み、攻撃力にもつながっている。

先発投手として当たり前の準備を当たり前にこなし、メジャー5年目で50個の白星を重ねた。開幕から負けなしの3勝は、両リーグ先発でわずか5人。メジャートップクラスの働きをみせる右腕は「毎年成長できていると思いますし。こっちに来て今、一番いい状態ではないかと思います」と胸を張った。

バルデリ監督も「今日のケンタは、奇跡的だった。すべての球種が見事にコントロールされ、すべてが有効だった。彼が投げるのを見るのが楽しくて仕方がない」と目を細めた好投。今季から移籍した新天地で、マエケンが大きな存在感を示している。【水次祥子】