カブスのダルビッシュ有投手(34)が25日(日本時間26日)、今季の公式戦最終登板となる敵地ホワイトソックス戦に先発。7回3安打無失点と好投し、ハーラートップとなる8勝目(3敗)を挙げた。日本人投手初の最多勝をほぼ確実にしただけでなく、投手の主要部門で上位にランクイン。大混戦とみられるナ・リーグのサイ・ヤング賞争いで、あらためて最有力候補に浮上した。本紙のMLB担当記者が、混戦の同賞争いを予想した。

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<四竈衛>

◎ダルビッシュ

○バウアー

▲ラメット

依然として大混戦である一方、この日のダルビッシュの好投で、実質的にはバウワーとの一騎打ちの様相を呈してきた。全米野球記者協会(BBWAA)に所属する各リーグ30人の記者による連名投票で選出されるが、カギを握るのが、1位票(7点)と2位票(4点)の得票数。今季は特に激戦でもあり、デグロム(メッツ)バーンズ(ブルワーズ)ラメット(パドレス)らに票が分かれるものとみられているものの、現状では1、2位票はダルビッシュとバウワーに集中する見方が強い。3位票(3点)4位票(2点)5位票(1点)で細かく点数を取っても、最終的には上位票のポイントが大きなウエートを占めるため、印象度の強いダルビッシュとバウアーが有利。ちなみに、今季の2人の接対決は1勝1敗。互いに甲乙付けがたく、記者泣かせの投票となりそうだ。

<斎藤庸裕>

◎ダルビッシュ

○バウアー

▲フリード

カブスのダルビッシュが本命。最多勝当確で貯金を5稼ぎ、チームの首位快走に大きく貢献した。対抗はレッズのバウアー。防御率1点台で安定感があり、2度の完封勝利をマークしている。奪三振もリーグトップだが、勝敗(5勝4敗)が物足りない。ブレーブスの左腕フリードは7勝0敗だが、シーズン最終登板で1イニングを3安打2本塁打で2失点。投球回数も56イニングと少ない。

<水次祥子>

◎ダルビッシュ

○デグロム

ダルビッシュとバウアーは拮抗(きっこう)し、どちらが取ってもおかしくないのではないだろうか。ただデグロムが最後の登板となる26日(日本時間27日)のナショナルズ戦で7回無失点、奪三振7以上なら、防御率は1点台となり奪三振はトップに浮上するため、大逆転の可能性も残される。今季は同地区内での対戦に限定していたため、所属地区が投票に影響する可能性もある。

◆サイ・ヤング賞 米大リーグ歴代1位の通算511勝を挙げたサイ・ヤングの功績をたたえて創設。記者投票により、救援を含む年間最優秀投手を選出する。第1回は1956年で当初は1人だったが、67年以降はア、ナ両リーグから1人ずつ選ばれている。ヤンキースなどで活躍したクレメンスが最多で7度受賞。2013年の投票では当時レンジャーズのダルビッシュが2位、マリナーズの岩隈(現巨人)が3位だった。