タイガース前田健太投手(36)が、6試合目の登板で今季初勝利を挙げた。カージナルス戦に先発し、6回を4安打5三振で1失点。同じ地区のツインズから移籍後、待望の初白星に「早く勝ちたいと思っていたので、気分的にすごくほっとした」と喜んだ。

速球にスライダー、スプリットで的を絞らせず、4回のソロ本塁打の1点に抑えた。「いろいろなボールを使いながら打者のタイミングを外したり、弱い打球を打たせたりが持ち味。今日はそれができたのでは」。ベテランらしい頭脳的投球に胸を張った。

3-1で迎えた6回1死一塁では、4回に本塁打を打たれたコントレラスに、この日最速の91・6マイル(約147キロ)の速球を高めに投げ込んで空振り三振を奪い、捕手ケリーが盗塁を阻止して併殺に。「大事な場面、大事な打者だった。空振りを取れるコースがあるのでそこを狙った」と気持ちを込めた。

開幕から不安定だった投球フォームは、体重移動時の体の使い方を修正した。まだ、絶好調とはいかないが「コントロールの不安がなくなってきたのが大きい」と表情は明るい。ヒンチ監督は「彼は誰よりも打者のタイミングを狂わせる投手」と好投に満足そうだった。

5月に強い。これでメジャー移籍後、24試合で11勝4敗、防御率3・65。19年から負けなしの6連勝中だ。理由には「あんま考えたことないけど。何だろう、僕も分からないけど」と苦笑い。雨天中止で登板が後ろにずれたため、5月1日に先発する運にも恵まれた。広島カープ出身のミスター・メイは、“こいのぼり”の季節に日米通算163勝目。目標の200勝に、新天地でまた1歩近づいた。

【動画】前田健太、すごい落差の133キロスライダーで空振り奪う