右肘痛からの復帰を目指す日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)が、己を信じてマイペースを貫く。26日、沖縄・国頭での2軍キャンプは通常練習が終了。今日27日午前に打ち上げる。最後のブルペンでは、最多40球で締めた。実戦登板はないまま終わったが、焦りはない。順調なら3月21日のイースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)での実戦デビューが予定されている。キャンプを振り返り、心境を語った。
有原の心には、達成感があった。国頭での2軍キャンプ。この日のブルペンでは捕手を座らせて、期間中最多40球を投げ込んだ。成果をかみしめるように時折、笑顔を見せた。
有原 捕手を座らせて、後半ちょっとだけ腕も強く振ることが出来たので、いい形でキャンプを終われたかなと思います。
キャンプ初日の1日は別メニューでスタート。右肘痛の不安解消へ、首脳陣との間で決めたスロー調整を進めてきた。
有原 すごい「ゆっくり焦らずやってくれ」と言われた。焦ることなく、徐々にやらせてもらったのが良かったと思います。このまま、ゆっくりやってきたので、無理をせずに今までのペースでやっていきたい。
心のゆとりが前進する力になった。第1クールはネットスローで、あらためて動作を確認。第2クールの8日に捕手を立たせてブルペンでの投球を再開した。感覚を呼び覚ますように30球。その後2度の立ち投げを経て、最初の壁にたどり着き、乗り越えた。
有原 (キャンプ中に)達成できたのは、ピッチングで捕手を座らせるということ。目標にやってきたので良かったです。
待望の1日だった。第4クールの18日、ブルペンで捕手を座らせての本格投球を解禁。「純粋に楽しかった」と、8割ほどまでギアを入れることに成功した。
発奮する出会いがあった。ドラフト指名後の今オフに都内のジムでソフトバンク松坂大輔投手(34=メッツ)と偶然、対面した。
有原 あいさつをして、「そういえば、同じリーグだね」(松坂)という話になって、それで「よろしくお願いします」と。やっぱりバリバリの時を見ていたので、すごい投手だと思います。自分としては、メジャーリーグにも行かれた先輩とあいさつできたのは、すごい良かった。
同じ右肘を痛めた経験がある元大リーガー。メジャーへの夢も持つ有原の気持ちは、自然と高ぶった。目指す場所へ、着実に歩を進めている。順調なら、3月21日のイースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)が実戦デビューの舞台になる。
有原 (2軍の)千葉・鎌ケ谷に帰ってキャッチボールから変化球を、ちょっと投げ始めていきたいと思います。
目の前の道を強く踏みしめながら、4球団が競合した確かな力を発揮する時を目指す。【取材・構成=田中彩友美】