198センチの大男は決して倒れなかった。8回を投げ終えた阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)はベンチで白い歯をこぼした。

 「個人的にうれしいけど、チームが勝ったのが大きい。チームにとっても大きい1勝だし、自分にとっても大きい1勝になった」

 何度もピンチはあった。3点リードをもらった4回は無死満塁。5回には無死三塁。2イニングとも最少失点で踏ん張った。「何点であってもリードしてもらえるのは、よりリラックスして自分の投球が心掛けられる。後半に行けば行くほど自分の投球ができた」。仲間の援護点がエネルギーになった。8回を7安打2失点で今季初白星。昨年、東京ドームで2勝0敗のGキラーぶりを発揮した。

 勝つために手を緩めない。キャンプ中もグラウンドでの練習メニューをテキパキと終わらせるとすぐに引き揚げる。「見えるところだけが練習じゃないんだよ」。宿舎に帰ると、ランニングマシンで約1時間走り続ける時もあれば、気分転換に屋外に走りにいくこともある。トレーナーもメッセンジャーに全幅の信頼を寄せ、調整法は任せた。自ら課したメニューに、1人黙々と取り組んだ。

 3月4日、甲子園でソフトバンクとのオープン戦の練習が終わると、監督室に呼ばれた。「お前に任せた」-。和田監督から直接、開幕投手の大役を言い渡された。2月中旬に1度首脳陣から伝えられていたが、実戦登板を重ねて正式決定。こだわり続けた座を射止めた。

 開幕戦は6回3失点で勝ち負けがつかなかったが、巨人菅野との開幕投手の投げ合いを制した。17日からの甲子園3連戦など、5月上旬まで巨人戦は週末カードに偏っている。今季も助っ人右腕が宿敵の前に大きく立ちはだかり、Vへと導く。【宮崎えり子】