もうもったいないから、もったいないから…。阪神藤浪晋太郎投手(20)が今季初黒星を喫した。わずか104球で8回を投げきり、5安打3失点にまとめた。それでも2回に暴投と犠飛で失った先制2点が重く、打席でも2度のバント失敗で、開幕連勝を手放してしまった。次こそ白星をつーけまつける。

 予想外の失点シーンに東京ドーム全体がどよめいた。2回1死二、三塁で7番亀井。藤浪の初球142キロ直球が外角高めに大きく抜けた。捕手梅野が懸命に左手を伸ばす。ボールは荒々しくミットをはじき、後方へ逃げていった。「真っすぐが引っかからなかった。抜けてしまった」。まさかの暴投で先制点を献上した。

 藤浪 フォームのバランスが悪くて、上半身と下半身がかみ合っていなかった。なんとか、ごまかしながら投げたんですが…。

 立ち上がりは明らかに本調子から程遠かった。1回先頭の坂本を内角直球で左飛に仕留めた直後に苦笑い。何度もリリース時の手首の動かし方を確認した。通常150キロ前後の直球が140キロ台中盤にとどまり、シュート回転が目立った。2回は先頭阿部に右前打を浴びた後、5番セペダに「一番もったいなかった」という四球を与えた。バントで進められて、暴投、亀井の左犠飛で2点を失った。

 藤浪 真っすぐがどうしてもシュート気味だったので、梅野さんと相談して。

 バッテリー間で状態を見極め、中盤以降は変化球の割合を多くした。徐々にフォームのバランスも取り戻し、低く伸びあがる150キロ超の直球も一気に増えた。高い修正能力で3回以降は亀井のソロによる1失点でしのぎ、8回をわずか104球で5安打1四球の3失点にまとめた。後半はあらためて類いまれな能力を見せつけた形だけに、どうしても序盤の2失点、そして2打席連続でのバント失敗が悔やまれる。

 9番打者としては3回無死一塁でバントを試み、3球ファウルで三振。6回無死一塁では投手正面に転がし、一塁走者梅野が二塁で封殺された。「攻撃の流れを止めてしまった。一番反省したい」。投打ともに苦しんで今季初黒星。反省こそすれど、下を向いている暇がないのは百も承知だ。

 藤浪 途中でしっかり切り替えて修正できた。次につながると思います。

 大崩れすることなく、完投したことも事実。苦難の「1敗」を糧に変え、進化の道を走り続ける。【佐井陽介】