鷹の主将が決めた! ソフトバンク内川聖一外野手(32)が、オリックスに1点リードされた8回2死満塁で中前に逆転打。17イニングぶりに得点を刻んだ。右足関節捻挫で離脱した副主将本多の穴を埋める活躍で、好投していた先発大隣に今季2勝目をプレゼント。シーズン序盤から訪れた逆境を一打ではねのけた。

 主将内川が終盤の一打で試合を決めた。8回2死満塁のチャンスで、真ん中に甘く入ったスライダーをとらえる中前2点適時打。オリックス中堅駿太の失策もあり、一塁から柳田もかえって一挙3点を加点。普段冷静な男は、二塁上で何度もガッツポーズを繰り返し、雄たけびをあげた。

 「今日一番甘い球だった。僕が打ちましたけど、皆に打たせてもらった感じ。大隣が辛抱して投げてくれていたし、皆がチャンスで回してくれた。(離脱した)本多のこともあった。何とか頑張らないといけないと思っていた。勝って皆が笑顔になったし、安堵(あんど)感が強いですね」

 前日、12日の日本ハム戦で右足関節を捻挫し、抹消された副主将本多から携帯電話にメールが届いた。「すいませんでした。俺の分も頑張って下さい」。内川は画面を見つめると胸を熱くし「謝ることはないよ。試合中のケガだし、気持ちを持っていたからの結果だから」と、返事をつづった。

 開幕から本多、そして選手会長松田とともに3人が中心となってチームを引っ張ってきた。3試合連続で得点が取れず急きょ行った野手ミーティングでも意見を出し合った。それだけに、シーズン序盤で離脱することになった本多の悔しさは十分すぎるほど伝わっていた。この日は3打席無安打だったが、4度目の打席で初めて回ってきたチャンスで4番の役割を果たした。

 これ以上0行進を続けるわけにはいかなかった。昨年、チームの完封負けは6試合。今季は早くも4試合で無得点。この試合も7回まで0行進だった。「皆、悔しい思いをしていたから打ちたかった」。4番を任される男としての責任感を一振りにぶつけた。

 試合後には、プロ初安打となる初本塁打を放った塚田をヒーローインタビューに呼び寄せる粋な演出もみせた。「一生に1度しかないんだから。それくらい価値のある本塁打だった」。気配りのできる主将がみせた後輩への優しさ。チーム全体を見渡せる男が、再びチームに貯金をもたらした。【福岡吉央】