“悲惨デー”から脱出! ソフトバンク今宮健太内野手(23)が7回に貴重な今季初本塁打を放ち、1点差でロッテに競り勝った。開幕から極度の打撃不振も試合前の工藤公康監督(51)の助言で吹っ切れ、1発回答だ。今季4度目の日曜の試合で初勝利。2週連続で日曜は0封負けだった嫌な流れを断ち、単独2位に浮上した。

 不振でもツボにはまれば飛んでいく。今宮が高校通算62発の片りんを見せた。1点差に詰められた7回、フルカウントからロッテ益田の真ん中高め直球を逃さなかった。クルリと体が回転。バットを体に巻き付けるようにスイングした打球は小雨の中、アーチを描いて左翼席へ。貴重な追撃弾となった。

 「しっかり振り抜けた。体が反応した。あの打席は無心で入れましたね」

 きっかけは試合前の練習中、工藤監督からかけてもらった言葉だった。「悶々(もんもん)とするよりも気持ちを切り替えることも大事。思い切ってやれ。結果が出なくても明日また頑張れ」。オープン戦で打率3割3分3厘をマークし、自信を持って臨んだシーズンだったが打率1割台で低迷。結果を求め、いろいろ考えすぎて打席に集中できていなかった。それが指揮官の言葉で吹っ切れた。

 今季ここまで全19試合に出場。1度スタメンを外れたことはあったが、それ以外は正遊撃手として起用され続けている。今宮は「この打率でも使ってもらっているのだから、守りで貢献しなければいけない。昨日は自分のミスで負けてしまっていたので、何とか自分のバットでと思っていた」。前日18日は2つの送球ミスで2失策。6回2死からの悪送球は一挙7失点への流れをつくってしまった。それだけにこの試合で何としても信頼を取り戻したかった。

 工藤監督は「今まで苦しんだ時もあったが、これをきっかけにしてほしい」と待望の1発を喜んだ。秋山前監督はどんなに打てなくても今宮が不動の正遊撃手として使われた。工藤監督も基本的には変わらないが、オープン戦では本多を遊撃手で起用してみたり、8日楽天戦では本多、今宮のレギュラー二遊間を外し明石、高田と入れ替えるなど、聖域はない。

 「打ちまくってレギュラーを取りたい」。地位を確立するために、間の取り方を替え、下半身主導の打てる打撃フォームを求めている。だが、試合ではもう迷わない。どん底からはい上がってみせる-。強い思いの詰まった1発だった。【石橋隆雄】