ソフトバンクの終盤の猛攻もあと1歩届かなかった。12回裏無死満塁で高谷の左飛に、代走川島がタッチアップを狙ったが、憤死。死闘の末のドローに、工藤公康監督(51)のほおは赤く染まっていた。「負けたわけじゃないんだ! また明日がんばりましょう!」。限りなく勝利に近かったが、ため息をもらすことはなかった。
投手陣の奮闘が支えだった。7回途中からマウンドに上がった2番手森福から5投手で無失点リレー。しかも合計で10三振を奪う圧巻の投球だった。中でも大きかったのは、五十嵐の完全復活だ。8回に西武の主軸を相手に1安打を許したが、併殺でしのぎ、打者3人で抑えた。「去年もこうやって、負けない試合があった。それが優勝につながった。負けないことも重要」。1軍に合流してから2戦目。当初は楽な場面で登板させるプランが首脳陣にあったが、変更した。工藤監督は「彼ぐらいの実績があれば、競った時に行ってもらおうと思った」と言う。勝ちパターンに組み込むメドが立ち、リリーフ陣はより強固になった。
サファテが志願して、今季初の2イニング登板。バリオスは球団記録にあと1つに迫る10戦連続ホールド。森も昨年の力強さを完全に取り戻した。「みんなが抑えてくれたから、こういうゲームになる」と指揮官はたたえた。今季初の4連勝は持ち越したが、後ろ向きになる要素はない。後半勝負では負けない。そんな雰囲気が今のチームにはある。【田口真一郎】



