西武秋山翔吾外野手(27)のヒットメーカーぶりが止まらない。3回の決勝の適時三塁打を含む、2試合連続のマルチ安打でチームを連勝に導いた。オープン戦からの好調を2カ月以上も維持し、シーズン233本ペースでヒットを量産し続けている。首位打者をリードオフマンに据え、獅子が首位戦線を生き抜く。
感覚が違った。3回2死一塁、追い込まれてからの楽天則本の外寄り低めに沈む変化球。失投ではない。だが秋山の視覚は「甘めに見えた」と認識し、スイングを脳に伝達した。体をやや沈ませながら、球を線で捉えるレベルスイングで右中間へ。懸命に飛びついた右翼手岡島のグラブからこぼれて、先制、そして決勝点となる適時三塁打とした。「何とか粘りながら、いい所に飛んでくれた」と感覚を思い起こした。
別次元の量産態勢に入っている。27試合で44安打。年間233本ペースとプロ野球記録の阪神マートンの214本を、マルチ安打15試合は年間79試合ペースでオリックス・イチロー(マーリンズ)の69試合をはるかに超える。
1年前とは技術も心も違う。昨季はオープン戦を不調で終え、開幕を迎えた。「開幕前の最終調整の3日間は本当に不安だった。実際に試合に入っても得意だと思っていた則本に1死二塁で三振。10打席目で代打を出されてしまった」。だが今年はグリップの位置を下げ、長打より確実性を求めた新打法でオープン戦首位打者に輝いた。「そこまでオープン戦で打たなくても良かったという気持ちもあった半面、打撃を変えたことが間違っていなかったことが分かった」。1年前、出はなをくじかれた則本をこの日、打ち砕いた。
まだ長い道のりの途中にある。200安打を聞かれ「それは…。まだ大丈夫です」と笑った。だが1年のゴールが近づいた時、歴史的な記録に挑んでいるかもしれない。【広重竜太郎】



