最高の誕生日プレゼントだ。ソフトバンクが柳田悠岐外野手(26)の特大140メートルサヨナラ5号ソロで3連勝を飾った。工藤公康監督の52歳の誕生日。ロッテに2度のリードを追いつかれ延長戦に突入したが、11回に柳田が一振りで決めた。今季3度目のサヨナラ勝利で貯金を今季最多の5に増やした。
豪快な誕生日祝いの140メートルサヨナラ弾に、工藤監督はバンザイし、顔を真っ赤にしながらグラウンドに飛び出した。延長11回1死。柳田がロッテ守護神西野の内角球をフルスイング。「高く上がって消えて見えなかった。とんでもない当たり」と工藤監督が見失うほどの打球は、右翼ポールのはるか上、出入り口をも越えてスタンド上段へ突き刺さった。
打った瞬間に勝利を確信した柳田は打席で振り切ったまま打球を見届けた。「うまく打てましたね。奇跡でしょ。楽勝で(届く)。途中でポールを巻いたなと思いましたね」。今季一番の会心の当たりに酔いしれた。工藤新政権の今季は足を生かすために3番に固定されている。出塁を優先しチームトップの打率3割5分3厘をマークしているが、5回以降チームは無安打と停滞。「ちょっとですね」と、11回の場面は本塁打を少しだけ狙って、本当に打った。
お立ち台では工藤監督へ向け「ハッピィバースデー、ディア監督~」とスタンドのファンと大合唱でお祝い。聞きつけた工藤監督がベンチ裏からグラウンドへ戻り、2人でお立ち台に上がってバンザイして喜んだ。戻ってきたホームランボールは誕生日のウイニングボールとして柳田が工藤監督に手渡した。工藤監督は「現役の時は勝った思い出がないんでね」。プロ26年で5月5日の登板は2度。横浜時代の09年、46歳でプロ初ホールドをマークしながら、26歳になった89年西武では先発してKO。いい思い出はなかったが、監督1年目は最高の誕生日となった。【石橋隆雄】
<工藤監督の5・5登板>
◆89年(26歳) 西武投手として近鉄戦(藤井寺)に先発。1回に2点援護をもらいながら2回1/3で7安打4失点KOされ、開幕から勝ちなしの5敗目を喫した。「ただ投げたというだけ。こんなことしてちゃいけないのに…。この次は!」と明るく振る舞った。
◆09年(46歳) 横浜投手で巨人戦(東京ドーム)に救援登板。4-2の7回裏を3者凡退に抑え、プロ初ホールドをマークした。試合後にスタンドからハッピーバースデー大合唱が響き「僕が中継ぎで投げることがチームのプラスになると思うし、期待に応えたい」。46歳以上の登板は当時、50年浜崎(阪急)湯浅(毎日)以来、59年ぶり史上3人目だった。



