あと1球で、5勝目が幻と消えた。阪神岩田稔投手(31)は7回を7安打4四球と苦しみながら、2失点と粘った。勝利投手の権利を持って9回へ。1点リードの2死満塁、フルカウント。呉昇桓が、角中に右越え満塁弾を浴びた瞬間、思わず立ち上がり表情が固まった。まさかの展開…。試合後は、守護神をかばうように自戒した。

 「点を取ってもらった直後、2球でホームランを打たれて同点にされたのはダメ。チームを、なんでやねん、という気持ちにさせてしまう」

 猛省のシーンは1点リードを奪った直後の4回だ。先頭の5番クルーズに対し、1ボールからの137キロ直球が真ん中高めに入った。左翼席中段まで届く1発で試合を振り出しに戻された。

 1回は四球から先制タイムリーを許し、中盤までは直球系、変化球ともに制球が定まらなかった。右翼手福留の本塁好返球で失点を免れる場面もあった。自らを責め、改善点をあぶり出すことで、悔しさを次回マウンドへの糧に変える。

 「その後(5回以降)は悪いなりに自分のピッチングができた。次、頑張ります」

 前回5月26日楽天戦は4年ぶりの完封勝利を記録。今回は明らかに本調子とはいえない中、なんとか試合を作った。チームトップの5勝目は最後に吹き飛んだが、1試合1試合、周囲からの信頼度は高まっている。【佐井陽介】